営業DXを成果に結びつける2つのポイント
成果を実現してきた会社の取り組みを分析していくと、営業DXを成果に結びつけるには、以下の2つがポイントになると考えています。

1.営業マネージャーにデータのとり方、使い方を習得させる
SFAを導入することによって、営業マネージャーが確認できる案件数が拡大します。ただし、その時に、営業実績を確認してアドバイスをするという従来型のやり方をしていては、マネジメントできる案件数を増やせるかどうか、かなり個々の営業マネージャーの力量によって左右されてしまいます。
そこで、ターゲットとしている顧客から案件を前に進める上で、どんな情報を獲得してきたらよいかを明確にし、その確認した内容をSFA上で確認できるようにします。これが実現できれば、営業マネージャーは、そのデータに基づいてより正しいアドバイスができるようになり、将来は、顧客の状況に応じて、追客すべき顧客や提案すべき商品をシステムが提案してくれる体制を作ることができます。

そのため、どんな情報を顧客からとってくるのかという設計をSFA上に組み込む必要があります。それができれば、営業マネージャーは各営業担当にその情報を顧客からヒアリングしてくるようにという指示を出せるようになります。
獲得すべき情報が明確になれば、今度はその情報の使い方を整理します。
特に、以下の場面での情報の使い方を整理することが大切です。

データのとり方とそのデータの活用方法が明確になれば、営業マネージャーは、SFAを活用して、より多くの担当、案件に対して効果的なアドバイスを行うことができます。
営業担当も自分が入力した内容に対して効果的なアドバイスをもらえるのであれば、SFAの価値を感じられるようになります。逆に、営業がSFAに価値を感じていないのは、入力した内容に対して、営業マネージャーから効果的なアドバイスがもらえていない可能性があるのです。
営業マネージャーにデータのとり方、活用の仕方を伝えることができれば、そのマネージャーを通じて、SFAの活用は間違いなく進んでいきますし、その体制ができれば、狙うべき顧客や提案すべき商品をAIなどを活用して個々の営業担当に提示することなども可能になります。
2.レポートラインを統一する仕組みを整備する
この場合のレポートラインのポイントは、以下2つを統一させることです。

なぜこれが大切かを理解していただくためには、SFAが苦手とする領域(SFAだとやりづらい領域)を正しく理解することが必要です。これが整理できないと、SFAを利用しなくなるリスクが発生します。
SFAが苦手とする領域において、営業DXを推進する上で避けられないポイントが営業の予実管理の部分です。
前述しましたが、予実管理に伴う計画は、経験に基づく見込判断やどこまでコミットするのかという想いが入ってきます。営業担当がSFAで報告してきた各案件の確率をかけた見込み数値は、判断材料にはなるものの、組織における計画数値にはならないことを理解する必要があります。
計画数値を出すためには、SFAの案件が一覧化した形で出てきて、個々の案件の見込みや位置づけ(挽回施策の案件化など)、各数値や歩留まりを見極めながら、着地点をどこに設定するのかという判断を、システムの中で行える必要があります。
さらには、このような営業計画は、市場の状況や顧客の状況を踏まえて、管理する項目が変わります。つまり、そのような変化に対応できる必要があります。
この点、作りこんだシステムの変更は都度費用がかかるので現実的ではないと感じるかもしれませんが、営業の予実管理は営業戦略と深く連携しており、システムに合わせて戦略を諦めるわけにはいかないので、コスト的にできないのであれば、二重入力にせざるを得ないということになります。
二重入力をやめるためには営業プロセスや案件管理の体制だけではなく、営業予実管理や営業戦略に伴うレポートラインまで踏まえて、仕組み化をしないと実現できないのです。

価値を感じても二重入力が存在する限り、常に、SFAは陳腐化のリスクを抱えることになります。そのため、SFAを継続的に成果につなげていくためにも、レポートラインを統一する仕組みを整備することが、前提となります。
